旬の人
2018/01/18

「ほうれん草はアート」。野菜嫌いの子どもも喜ぶ、益荒男ほうれん草を生産しているのは、この方!

1917 view
クリップ
 
(編集部・丸尾)

こんにちは。Vegetable編集部の丸尾です。

Oisixをご利用中のみなさま、お待たせしました。あのほうれん草がこの冬も帰ってきましたよ~!

 

野菜嫌いのお子さまも喜ぶ、甘いほうれん草

毎年、多くのお客さまから喜びの声が届くほうれん草があります。

 

「夫も息子も青菜は苦手。でも、こちらのほうれん草をおひたしで出したら奪い合うように完食しました。びっくりしました(by moguママさま)」

 

「茎がとうもろこしの味と書いてあったので、先に茎だけつまみ食いしてみたら…すっごく甘い!!! 葉と茎、別々に食べ比べてみると面白いですよ~(by ライさま)」

 

「『甘いといってもたかだか知れてるだろう』というくらいの気持ちで、まずは、しゃぶしゃぶの時に使用しました。 すると衝撃を覚える甘さで驚きました!! こんなに甘いなんて感動です。 残った分で、バターソテーを作るつもりです、こちらも楽しみ(by まゆさま)」

 

葉はもちろん、茎にまで、甘さが染み渡っています。そんな甘いほうれん草「益荒男(ますらお)ほうれん草」を三重県津市で作っているのが、藤原 隆広さんです。

甘さの秘密をうかがうために、藤原さんの畑におじゃましました。

 

甘いほうれん草を狙って、ヒヨドリもやってくる

訪れた畑で収穫されたばかりのほうれん草。ひと口かじると、後味までずっと長いあいだ、うっとりするような甘さが続くんです。
あまりの甘さにこちらが驚いていると、こんなエピソードを紹介してくれました。

 

ここら辺にヒヨドリがいるんですけど、私のほうれん草を全部食べるんですよ。昨日まであったのに、朝行くとなくなってる。

最初に、群れの中で味見するやつがいて、くちばしでキスマークをつけるんです。ほうれん草の糖度が15度を超えて、甘くなるのを待っているんですね。15度を超えると、仲間を連れて大群でやってきます。

 

それは恐ろしいですね…。でも、人間と一緒で、ヒヨドリも甘いほうれん草が好きなんですね(笑)

 

そうなんです…。そこで、ヒヨドリ戦法というのを考えました。

ヒヨドリの大群に負けないくらい人を集めて、5人くらいでババッと一時間くらいで全部収穫しちゃうんですよ。ヒヨドリが食べに来る前に。そのやり方に変えてから、ほとんど食べられなくなりました。

 

そんな話を、嬉しそうにしてくれる藤原さん。
ちなみに、いただいたほうれん草の糖度は十五度。ヒヨドリ警報発令レベルでした。

 

田んぼで、ほうれん草を作るのは無理と言われていた

好きこそ、ものの上手なれ。

藤原さんはまさにその言葉を体現したような方です。十年以上農業の研究に没頭したのち、研究と生産の現場を繋ごうと自ら農業を始めました。ほうれん草を育てているのは、実はもともと田んぼだったところ。

 

田んぼでほうれん草を作るのは、無理と言われていました。

田んぼだった場所に向いているのは、きゅうりのような“根を浅く張る野菜”。ほうれん草の根はまっすぐ伸びるので、農業の常識ではダメなんです。

 

でもそんな常識をよそに、藤原さんは田んぼ一面をほうれん草畑に変えてしまいました。

 

ふつうのほうれん草と一番違うのは、根っこの巻き。根っこを巻かせるのは「アート」なんですよ。

根っこは、外へ外へという習性がある。その際にぶつかっちゃうと、それ以上いけないから巻いていく。くるくると。私の作ったほうれん草の苗は、根っこが表面にしかない。きゅうりと同じで浅く張っていく。 それで、田んぼで作ることに成功したんです。

 

ほうれん草の根っこの巻きを披露してくれる藤原さん。たしかに、くるくると巻かれています!

 

おいしいってことは、美容と健康にもいいってこと

藤原さんの畑を見回してみると、少し黄色くなっている葉が目に留まりました。

実は、これは藤原さんの作るほうれん草の「おいしさの印」。農薬の使用を抑えて栽培しているため、益荒男ほうれん草は春先にかけて、特に黄色くなりやすいのです。

 

根っこから送られる窒素は、肥料を抜くことで、途中で下から来なくなり、ゆっくり黄色くなる。
そのため、下の葉から黄色くなっていくんです。

 

枯れて黄色くなっているわけではないんですね。

 

黄色くなるのは、おいしさのメッセージなんですよ。
窒素が下から上がってこなくなると、今まで窒素と一緒になっていた糖の濃度が高くなる。そうすると「おいしさ」になる。

ちなみにビタミンCの材料は、糖なんですよ。つまり、糖が多くないとビタミンCは増えない。
窒素を抜くことで甘くなっておいしさにつながるし、美容と健康のビタミンCにもつながるんです。

 

見た目のそろいではなく、中身の味をむらなくしたい

夢中になって作るからこそ、益荒男ほうれん草は、藤原さんにしか作れないと感じます。

 

「益荒男ほうれん草の種はどこにあるんだ?」って、テレビとかに出るとよく聞かれますね。同じようなものを育てたいと。

でも、私からすると益荒男ほうれん草っていうのは、作品なんですよ。益荒男ほうれん草を油絵だとすると、種は絵の具なんですね。ピカソと同じ絵の具を使っても、ピカソと同じ絵にはならない。
私が作らないと、この味にはならない。ほうれん草馬鹿にならないと、ここまでできないんじゃないですか。

 

畑で見ると、益荒男ほうれん草の大きさはさまざま。形も一つひとつ違います。でも、それは問わないと藤原さん。大きさや形ではなく、益荒男ほうれん草を食べた時の「感動」を大切にしてます。

 

十人いたら、十人とも同じ感想がでるようなものを作る。外観のそろいじゃなくて、内部のそろいを、本当に究極にむらなくできること。

「おいしかった」って言う人もいるけど、「まずかった」って言う人もいるのじゃあ、ダメなんです。

 

外見で味は語れない、と藤原さん。
だから営業する時には、ほうれん草を持って飛び込むそうです。

 

ほうれん草と名刺だけ置いてパッと逃げてくるんですよ(笑)

一生懸命になればなるほど、マニアックなことを話しちゃうから。だから、ほうれん草に語らせるんです。

 

一途な愛情は、益荒男ほうれん草が雄弁に語ってくれます。
めんつゆで漬けてもソテーにしてもおいしい藤原さんのほうれん草。この時期だけの、お楽しみです。

藤原さんが作る「益荒男ほうれん草」は、こちらからお買い求めいただけます
(ご好評につき、売り切れの場合はご了承ください)>

 

あなたがもっと知りたい生産者さん、教えてください!

「この野菜のふるさとは、どんな畑なんだろう?」「この商品を作っている人に会ってみたい!」と思われたことはありますか?
ぜひ、お客さまがもっと知りたい産地や生産者さんについてお聞かせください。今後の企画の参考にさせていただきます。

アンケートへの回答はこちらから>

0件の「いいね!」がありました。
0件のコメントがあります。
並び替え
コメントするにはログインしてください