旬のコラム
2017/08/31

【from my table】#5 うね乃さん(京都府)~私の、おいしい食卓

1229 view
14
クリップ

あの人はどんなOisixライフを送っているの?
このおいしい商品は、どんな人が作っているの?
Oisixをよく知っている人ならではの、お気に入りのアイテムが知りたい!

Oisixとさまざまなご縁でつながったみなさまに、大切な人たちと過ごす食卓でうかがったお話をお届けするコラムです。

 

■プレゼントのお知らせ

このページの最後にあるコメント欄から、うね乃さんへのメッセージをお送りください。
うね乃さんからは、「じんで育った子のおいしい顔が見てみたい!」というリクエストもいただいています。
コメントいただいた方の中から3名様に、Oisixでは未発売の限定商品をプレゼントいたします。
ご応募お待ちしております!

※ページ右上の「OisixIDでログイン」よりログイン後、投稿いただけます
※2017年9月21日9時59分までのコメントが有効です
※当選された方には、VegeTable編集部よりご連絡さしあげます

 

 
うね乃(うねの)
京都にあるおだしの名門。明治初期、滋賀県で代々庄屋職にあった初代が米・精米・乾物用の水車を製造し、二代目が京都へ進出してけずり節などの乾物加工に着手。花かつおの加工技術に心血を注ぎ、社寺用達となるなど高い評価を得ました。伝統の京料理の感性を世に伝えることに勤しみつつ、家庭用だしパック・つゆなど、安全・安心に加えて利便性でも魅力ある商品の製造、開発に力をいれています。
うね乃の商品一覧

 

自分好みのおだしの味が選べたら

昨年、京都のうね乃本店は大きくリニューアル。
目指したのは、お母さんから子どもたちにわが家の味が受け継がれる“ODAIDOKO(おだいどこ)”のような空間。

おだしのいい香りが漂う店内の広々としたキッチンスペースでは、おだしの試飲はもちろん、削り器を使ったかつお節の削り方を学べるなど、さまざまなおだし体験が可能です。
「Oisixのお客さまも、たくさん来てくださってますよ」

「ここは、100年後にもおだしを残すために作った場所。実際、若い子たちが来てくれるようになりましたね。
 以前は試着室のない洋服屋のようだったけど、ここへ来て自分に合うおだしを見つけてほしい。
 自分好みのおだしの味が選べたら、楽しくなって毎日使うじゃないですか」と副社長の釆野佳子さん。

ODAIDOKOに流れる心地いい曲は、京都に暮らすフランス人のアーティストが作ったオリジナル。コンコン、コンコンと小気味よいリズムは、鰹節を削る工場で集めてきた音だそう。五感におだしがじんわり染みわたるような、気持ちのいい場所です。

 

家庭用のおだしを再興したい

うね乃さんのおだしをOisixで取扱い始めたころは、まだまだ神社仏閣、京都のお料理屋さん向けが多かったそうです。


壁には、名だたる社寺御用達のお札がずらり

「うちみたいに小さいところは、一軒一軒カスタマイズして、お客様にあったおだしを作るのが得意なんですね」と、四代目社長の釆野元英さん。

「もともと、神さまに捧げるために頑張った結果がおだしを進化させた。
 はじめから“おいしいもの作ろう”と思って作ってないんです」
たとえば燻製をかけるのは保存性を高めるためで、おいしくするためではなかったそうです。

おだしは、昭和に入って化学調味料が出てくると、一時は消費量が1/5にまで落ちこんだ時期も。
そんな折、うね乃さんが日本で最初に「だしパック」を開発したのは、家庭向けに、時代にあった削り節を模索し、手軽におだしを使ってもらえるようにと考えたからでした。


「おだしのパック じん」で手軽におだしを取ったあとは、袋の中身をさっと炒めてふりかけにも

それがここ数年、だしはすっかり「ブーム」の様相に。でも、元英さんは言います。
「加工品って、食べるラー油みたいにエスカレートするでしょう。だしがブームになるのはおかしい。
 だしが、だし以上になる。
 だしの役割って何でしたっけってところに立ちかえらないと。
 素材をダメにしているところまで行っている」

ちなみに、あの伸び伸びとしたおおらかな「じん」の文字。
あれは、どなたが書いているんですか?

「友禅の絵を描く友人がいて、もう20年ほど協力してくれているんです。
 デザインを頑張りすぎると、おだしがギフトになっちゃう。
 うちの味は家庭でふだん使いしてほしいのに、そんな緊張感は必要ないでしょう。
 “こんな味やし、食べてみて”っていう感じに仕上げてもらってます」

 

おだしで家族がふーっと落ち着いたら、優しくなれる

KitOisixの監修もしてくださっているフレンチの松嶋啓介シェフが、以前こんなことをおっしゃっていました。
外食のレストランやラーメン屋は旨みをぎゅっと凝縮して、ひと口食べたときに興奮させるような料理だけれど、家庭料理のおだしはその逆で、食べた瞬間にふーっと気持ちが落ち着く、と。

「外でいろいろあって興奮して帰ってくるお子さん、ご主人にしても奥さんにしても忙しく過ごして、バタバタと夜ごはん。家で食べて、そこでみんなふーっと落ち着く。リラックスして、優しくなれる。
家に攻撃的なお料理は、必要ないんじゃないですか」と佳子さん。

「デパ地下で有名ホテルのビーフシチュー買ってくるのが嬉しいというけれど、あれはドレスアップしてハイヒール履いて緊張感持って出かけて行くからこそおいしい料理。家でTシャツと短パンでレンジでチンして食べるのでは意図が変わる」と元英さん。

「ハレとケは、もっともっと分けるべきかなって思います」

 

 

「ここまでおいしくなる。おうちでやってみて」

うね乃さんはここ数年で、京都市内にうどん屋さんとおでん屋さんをオープン、どちらも人気店に。

「日本人が高級なものを食卓にのせるのがすごい贅沢っていうけど、それは、本当の贅沢じゃないなと思うんですね。
 白いごはんとお味噌汁とお漬物、シンプルな食事でご馳走を味わってもらわないと。
 うどん屋とおでん屋もそうなんです。あれ、ぜんぶ家でできるんです」

「なんでうどん屋とおでん屋かっていうとね、別に飲食業界に参入したいんじゃなくて、あれはパイロットショップ。
おだしを体験、体感してもらえるようなお店をしたかったんですね」

誰にでもその違いがわかるお店がいいと考えたら、誰もの生活に密着しているうどんとおでんに行き着いたそう。おでんはコンビニにでも一年中売っているし、一方で高級店もある。うどんも離乳食から介護食まであって、みんなの記憶にある、これまでに食べたおでんやうどんのデータと比べてもらえる。

「“だしを変えるだけで、ここまでおいしくなる。おうちでやってみて”というのがメッセージなんです」

祇園で2万も3万もするような高級割烹に長年いた料理長が、そこではうどんを提供しています。
高級割烹の客にはいない若い世代や子どもたちのために、自分の技術を使いたい。それで意気投合したのだとか。

「おしゃれした若い子たちがね、うちのおでん屋でおだしを飲みながら“わー毛穴からおだし出てきた~”って言って喜んでる姿がほんとかわいくて、嬉しい!」

うね乃さんが来てほしかったのは、そんな、ふだんコンビニでおでんを買っている若い人たち。いずれ自分で毎日料理したり、親になったりする人たちに、ほんもののおだしを体感してもらいたい。

元イタリアンのシェフが腕を振るうおでん屋さんの一品ものには、イタリアの生ハムもあります。
これにはわけがあって、日本のおだしも生ハムも同じアミノ酸で、味が喧嘩をしないから。
鹿児島から届いたヤングコーンは、鰹節の魚粉を撒いた畑で育ったもの。
うね乃さんのおだしに対する思いが人と人を繋げ、ふたつのお店から多くの若い世代にも伝わっていきます。

 

「おだしを、再発見する」

佳子さんは、海外で活動する機会も増えました。

「決して華々しく海外進出したいわけではなく、
 海外の人がおだしを知りたいと言ってくることが増えたんですね。
 外の目で見てもらうことによって、日本人がおだしを再発見する。
 もういちど見直して取り入れてみる気になるってことあるでしょう。
 その意味もあってやってます」

「もうひとつは、海外にいる日本人向け。
 世界中にいる日本人、とりわけ子どもたちに、おだしを知ってほしいですね。

 現地に行ったら英語ぜんぜん分からなくて泣いてる夢見ましたけど(笑)
 次の世代に伝えられるように、かかわっていきたいって思ってます」

 

おだしは、なつかしい味がする

ODAIDOKOでおだしを試して「おいしい」というコメントをする方は、実はあまりいないのだそうです。

「ほっとした」「生きかえった」

そんな言葉が、おだしを語ってくれますね。

「こないだ小学生がワークショップに来たときにね、
 “なつかしい、おっちゃん!”って言ったんですよ。4年生が(笑)
 食べたことないけどなんかなつかしいなって。
 でも、栄養士の先生とその話をしてたら、
 “だしって母乳と同じ成分入ってるから、なつかしいってその子が言うの、
 合ってるわ”って」

「僕らも二日酔いの時とか、補いたい、整えたいときに、だしだけ飲みたくなる。
 必須アミノ酸が入ってて、身体の水分に近い。だから、あきひんのです。
 運動能力の高い人にも、水出しした昆布水を
 スポーツドリンクの代わりに飲んでくださいって言ってるんですよ。
 ミネラル豊富でバテないし」

うね乃のうどん屋さんの近くには大きな病院があって、手術後の最初の食事にリクエストされることもあれば、食べられる食事はここのうどんだけ、という方もいらっしゃるそう。

離乳食で最初に口にするのもおだし、最後に口にしたいのも、おだしなんですね。


うね乃さんが目利きして選んできた昆布に見られる、これは「ウニ穴」
おいしい昆布にはウニも目がないので、こんなふうにつまみ喰いの跡が残っているそうです

 

シュフでいいのに、シェフになろうとしてる

「Oisixと出逢ったころは、まだインターネットでいいもの、おいしいものに当たるって思えなかった。正直なところ、リアルで見て買いたい、それがいちばんいい、って思ってたんです」と佳子さん。

「でも今は、逆にリアルでいいものを買うのが本当に大変な時代。
 ちゃんと取り寄せてでもおいしいもの食べたいって思う人がこんなにいらっしゃるのが分かったし、どんなところに住んでても届けられて、どんなに忙しい人でも続けられるっていいことだなって」

そうやって、手もとにいつもいい素材があれば、「食べるなんて人間の本能なんやし、むつかしく考えすぎることないし、もっとかんたんに」できる、と佳子さんは言います。

うね乃さんが主催している離乳食教室で、お母さんと赤ちゃんの前に置かれるのは

 【白いごはんと、おひたしと、つくねのたいたん】

「えっ、これ大人のごはんちゃうの?」という声があがるそうです。
それをちっちゃなお椀にとりわけて、おだしでのばして「さあどうぞ!」

赤ちゃんの食いつきのよさに、お母さんたちはホッとした表情を浮かべるのだとか。

「離乳食の本を買って、作るだけでフラフラになって、大人のごはんがしんどくなっちゃう。どんなにたくさんお料理作っても、お母さんが難しい顔してたらうっとおしいもんなあ」

と佳子さんが言えば、元英さんも

「家族の顔を見て、今日は疲れてるなって味つけを加減したり、野菜をいっぱい入れたりできるはずなのに、顔を見ずにレシピ検索して、コピーしたものを食卓に出してる。もしかしたら家族は“今日のこの暑さ感じてよ。食欲ないからそうめんでいいんや”って思ってるかもわからへん。
 シェフになろうとしてる。シュフでいいのにね」

 

お料理を支える、土台のだしを作り続ける

スイスの国営放送が先日うね乃さんへ取材に訪れた時のこと。
鰹節のすべてが見たいというから、クルーといっしょに鹿児島へ行って、煮熱、燻製、カビつけ、天日干し、ぜんぶの工程を体験してもらい、鰹節が料理屋に納められて、料理になって出てくるところまでを撮影してもらったそう。
「作るのに一年かかってる、こんな加工食品ないでしょう」

うね乃さんが繰り返し言われる「だしが、だし以上にならない」とは、どういうことなんでしょう。

「最初にだしを取ったときには少し物足りないと思えても、
 料理を仕上げていくうちに、ちょうどよくなるということなんですよ」

「素材からのだしも出る、調味料も入るでしょう。
 料理の、味の体積がこの器一杯だとすると、
 ブームになっているようなものは色々足されすぎていて、
 だしだけでこんなにいっぱい埋まってしまうんですよ。
 すると調味料と素材、これだけしか入れられない。こぼれてしまう」

「うちのだしは、この器だと思ってほしい。いっぱい入る。
 味噌汁にしたときにはものすごくいい仕事で、支えます」

 

 

【おまけ】うね乃さんで、
 おだしのおいしい取り方を教わりました!


手前がうね乃さん目利きの利尻昆布。毎年現地まで足を運び、地元の漁師さんと会話を重ねて厳選したものは滋味たっぷりのいいおだしがひけます。
3人がかりで持っているのも同じ「北海道産昆布」です

  • 水 1ℓ
  • 利尻昆布 15g
  • 花かつお 15g
    ※3%のおだしが、うね乃さんのおすすめ

<作り方>


「ちょうどいい温度でゆっくりあったまると、固い体もほぐれていいお出汁がでますよ」と本店スタッフの安田さん

  1. 昆布だしをとります。
    ※水出しなら ひと晩(6時間)
    ※朝から漬けるなら 3-4時間くらい
    ※火にかけるなら 火加減だけ気をつけて(沸騰さえさせなければ大丈夫)
     引き上げる目安は60-70度(鍋底にプツプツと水の泡が出てきたら)昆布は引き上げます
  2. 沸騰してきたら鰹節を入れて、火を止めます。
    ※火にかけ続けなくていいから、失敗しません
    ※2−3分そのまま置いておくと、きれいな黄金色のだしになります
  3. オールマイティなお出汁 一番だしのできあがり!


「漉し布はご家庭では億劫になるから、お箸でクルクルッとやっちゃってくださいね。取れますんで」

「テレビの料理番組で、鰹節バサーッと入れているのをご覧になっているかと思いますが、うね乃のだと、そこまでたくさん使わなくていいんです。
2−3割思い切って減らしちゃって大丈夫。昔ながらの鉄の刃で削る製法で、表面が波波になるように削っているから、少量でしっかりいいおだしが出ます」

 


釆野社長ご夫妻を始め、スタッフのみなさんお一人おひとりが、揃っていいおだしのような味わい深いお話を聞かせてくださいました。
Oisixのお客さまにはぜひ一度、訪れていただきたい場所です!

◎うね乃 公式サイト

 

今回ご紹介いただいた商品

おだしのパックじん(黄)

花かつお

天然利尻昆布(一等)

 

14件のコメントがあります。
並び替え
コメントするにはログインしてください
  • かつおぶしでおだしを作るのは難しいと思っていましたが、最近は簡単に美味しいおだしが作れることを知り、お味噌汁はかつおだし。簡単に作れないと思っていた時は、市販のものに頼っていましたが、自分で手軽に作れる、日本の文化をこれからも伝えていきたいなと思いました。このコラムで、さらに一番だしという技を覚えました。ありがとうございました。
    • 一番だしも、ふだんのお料理なら晒しなど使わずとも、かつおぶしお箸でくるくるっと取れますよ~、と気がラクになるアドバイスをくださいました。だしを取ったあとも佃煮やふりかけにご活用くださいね!
  • 2017/09/10
    京都に旅行へ行った際にうね乃さんのおだしのパックに出会い、自宅で利用しています。
    Oisixで取り扱いがあったので無くなっても購入出来る!と嬉しくなりました。
    こちらのおだしで作るだけでお味噌汁がグッと美味しく、ふーっと落ち着くお味に!
    うちは夫婦二人だけですが、お互い仕事終わりで帰宅しての晩御飯の時間がゆったりリラックスした時間になります。
    うね乃さんのおだしのお味噌汁がその時間に花を添えてくれています。
    主人もお気に入りです。
    だしパックのふりかけも生姜を入れてみたり色々アレンジして楽しんでいます!
    • 初音さん、メッセージありがとうございます!おだしで家庭円満ですね^ ^
      機会があればぜひ本店にも足を運ばれてみてはいかがでしょう。あれこれ試せて楽しいですよ~
  • 2017/09/09
    和食好きな2歳の息子にうね乃さんのおだしでいろいろな料理を作ってあげたいです!自分でおだしをとろうと思ってもなかなか難しくて…。うね乃さんこだわりのおだしなら安心して子どもと一緒においしく楽しく食事ができると思います!
  • 2017/09/09
    うちの娘は中学1年生になりましたが、うね乃さんの「厚削り」が好きです。一度、お味噌汁のお出汁を取るときに入れてみたのですが(邪道かもしれません。)、それで程よく柔らかくなった厚削りを「おいしい〜〜」って食べていました。小学校の頃は、普通にモグモグ噛んだりしていました。家では、職人だしと利尻昆布も愛用しています。
    • 華さんメッセージありがとうございます!厚削りは社員もマヨネーズつけておつまみにしたり、お子さんのおやつにしたりとかなり偏愛されているツウ好みの商品です^ ^
      これからもおいしいおだし、楽しんでくださいね。
  • いつも悩みながら買わずにいたのですが、この記事を読んで息子のご飯にやっぱり使いたいと思ったので次の定期ボックスで買ってみます‼︎お出汁はもちろん、ふりかけも作りたいな。
    • 朝晩ひんやりしてきたので、うね乃さんおだしデビューにはうってつけですね。大根やかぶの葉っぱとあわせて、ごま油でちゃちゃっと炒めるようにしてもおいしいですよ!
  • まだ、うね乃さんのおだしは使った事がないのですが、記事を見て使おうと思い、さっそく注文しました。
    楽しみです。
    • さちよんさん、嬉しいメッセージありがとうございます!残暑の疲れにも、これから迎える食欲の秋にも、おいしいおだしの効いたお料理を楽しんでくださいね。
  • うね乃さんのお出して作ったお味噌汁は、子供たちに大好評❗️本来なら自分でとったお出汁でと思うのですが、なかなか時間が取れず………しろだしも煮物やだし巻きに使ってます。